2009/06/10

レポート:凄いHTML5推しでGoogle Developer Day 2009終了

Itproの記事でも触れましたが、googleがもの凄い勢いでHTML5を推しています。
続く不況の中W3Cの活動に人を出せる企業が減ってきたとかいないとかささやかれている今日ですが、みんながげっそりしている間にgoogleはデジュールをデファクトにすべく猛進中です。
基調講演ではyoutubeをFlashなしで実現したテストサイトなどを紹介していました。iPhoneにもいれてもらえない状況が続くFlashのことがちょっとだけ心配になります。まるでカフェインかわさびのように「抜きで」を連呼されていました。
Web Standardという言葉がここまでいきいきと使われている状況を私は知りません。HTML5に関して言えばまだ草案なのでスタンダードというには次期尚早ではありますが、googleはHTML5を推すことでweb standard = googleという状況を作るつもりなのかもしれません。
ちょっと前、googleの検索技術担当者の人とお話したとき、文脈上では「internet」というべき部分をおもいっきり「google」といってしまっていたことを思い出しました。「ネットの中の情報」という話を「グーグルの中の情報」と表現していたように記憶しています。収集したインデックスの話とはちょっと違う流れだったので、個人的には現状のネットを使える状態にしているのは自社の技術であるという自負と、自社内にインデクシングされておらん情報など無いも同然という認識が公共財であるネットと自社システムとの境界をあいまいにするものなのだろうなーという感想をいだいたものです。
それはそうと、HTML5は普及するかどうかは別として、勉強しがいがあり面白い技術だと考えます。たぶん、小学生でもあるていどおもしろいことがスクリプトとかでやれるようになって、プログラミングに興味を持たせるためにはもってこいの側面もあるように感じます。
ただ、忙しい大人が膨大なHTML5の規格に目を通し勉強を進めて行くのはちょっとしんどいかもしれません。こういうことできるかな?という目的がないとつらい。Opera Devをはじめ既存のリソースをかじりながら、まずは出来ているものから解析していくのがよい方法でしょうね。昔HTMLを勉強した方法と同じことが、ウェブアプリケーションでも通用するという点で若かったあの頃を思い出す人もいるかもしれません。

Canvasリソース(その他も豊富)
http://dev.opera.com/articles/view/html-5-canvas-the-basics/

Client-side Database Storage API
http://webkit.org/misc/DatabaseExample.html

Geolocation
http://www.webmonkey.com/tutorial/Track_User_Geolocation_With_JavaScript

Canvasをはじめ日本語で凄いリソースの量(羽田野太巳さんのサイト。名著、標準DOMスクリプティングの著者)
http://www.html5.jp/

ところでFlashなどのプラグインは「抜かれるのか」という点を考えてみますと、まあ、そうでもないだろうという気持ちはあります。たとえば動画ですが、エンコード結果の美麗さなどをこみこみで考えてやはりFlashの表現力には一日の長があるわけです。たとえば私はgoogleのpicasaを使いません。というのもアップロードした写真が小汚くなるからです。うへー。これは共有したくないわ。とおもってしまう。googleの場合相手にしているトラフィックの数が違うでしょうから小汚いくらいなんだ!とおっしゃるでしょうが、そこは気持ちの問題であります。でありますから、テキストをふくめた言葉のやりとり重視のコミュニケーションはgoogleで、ビジュアルを含めたコミュニケーションはFlashとかその他の方法で。という状況は今後も末永く続くのではないでしょうか。